恋

「大事な話がある」
はぁ…これで何度目だろう？
幼馴染である彼の性格はよく分かっている。ヘタレで、ここぞという時に決められない軟弱者。
何で私もあんな奴好きになっちゃったんだろう…もういっそのこと私の方から告白する？いやいや、それだと何も変わらない。告白くらいは彼にびしっと決めて欲しい。
でも、どうせ今回も失敗するんだろうな…
期待せずに待っていると彼がやってきた。ツギハギだらけのおかしな服を着てやってきた。
「僕は、君の事が、大好きだ！僕と、付き合って、ください！」
待ちに待った彼からの告白。私の答えは勿論OKだ。
それにしても何その服？告白するにはムードなさすぎでしょう。
「この服は、僕の歯切れの悪い言葉を縫い合わせて作ったものなんだ。この服を着ていると面と向かって言えなかった君への思いも伝えられる。君を昔から愛していました」
彼の歯に衣着せぬ告白に、今度は私の歯切れが悪くなる…