一方通行

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どうしようもないことがあった時ほど、わたしは笑うようにしている。でもこれって特別なことじゃなく、誰もがみんな、そうしていることで。
「えー、良かったじゃん」
だから、好きなひとに好きな人ができるたび、わたしは笑った。もちろん心からの笑顔ではなかったけれど、その時、その瞬間にでき得る限りの笑顔を見せた。

人が人を好きになるのは、とても当たり前のことで。わたしも人を好きになる。ただ、好きになったひとが、わたしを好きになってくれたことは、今まで一度もなくて。

世間では別れの季節だけれど、有り難いことに、わたしたちが別れることはない。というのもわたしが彼女の親友だからで、この関係を壊さない限り、わたしは彼女と一緒にいられるのだろう。だから、
「え。恋人と別れた?」
彼女が恋人と別れるたび、親友の仮面をかぶって彼女を励ましながら、実は胸が高鳴っていることも、彼女への想いと一緒に胸にしまった。
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公開:23/03/20 14:31
書く習慣 胸が高鳴る ののの糸糸

ののの糸糸( Ito Nonono )

ツイッター(https://twitter.com/no3_ito)や創作系SNS、くるっぷ(https://crepu.net/user/no3_ito)に140字小説(ツイッターノベル)や54字の物語を投稿している他、上限2000字で掌編小説を書いている昭和女子。

野辺りな名義でユーザー登録していましたが、登録したツイッターアカウントで創作活動をしなくなったのと退会が出来なかったため、野辺りなは無期限活動停止とし、現在、創作活動中のツイッターアカウントで新規登録してこちらで引き継ぐことにしました。

『今日は何の日』や『書く習慣』というアプリのお題で書いた散文をまとめて400字にしています。

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