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それは一つの勘違いから始まった。
(私、たびが好きなんです)
SNSで繋がった女性から送られてきたDM。
僕も旅は好きで、話が合うなとまだ見ぬ彼女に仄かな想いを募らせていた。
そうしたある日。彼女の方から家に招待された。
いきなり家に行って大丈夫なのかと思ったが、誠意を見せようと快諾した僕。
その日は生憎の雨だった。だが彼女の家に赴き、初めて彼女の顔を見た時、僕の心だけは一気に晴れ渡った。
しかし彼女の下半身を見た途端、心が曇る。車椅子姿の彼女。事故らしい。僕は家にいきなり呼ばれた理由を悟った。
旅のコレクションを見せたいと言う彼女。部屋に入り驚いた。
「私の足袋素敵でしょう?」
旅と足袋を勘違いしていた僕。
「歩けない私には足袋の地面から離れまいとする力強さに惹かれるんです。いつか足袋で旅をしたいな」
その言葉を聞き僕は心に決めた。足袋で旅するその日まで、彼女の車椅子を押してあげたいと。
(私、たびが好きなんです)
SNSで繋がった女性から送られてきたDM。
僕も旅は好きで、話が合うなとまだ見ぬ彼女に仄かな想いを募らせていた。
そうしたある日。彼女の方から家に招待された。
いきなり家に行って大丈夫なのかと思ったが、誠意を見せようと快諾した僕。
その日は生憎の雨だった。だが彼女の家に赴き、初めて彼女の顔を見た時、僕の心だけは一気に晴れ渡った。
しかし彼女の下半身を見た途端、心が曇る。車椅子姿の彼女。事故らしい。僕は家にいきなり呼ばれた理由を悟った。
旅のコレクションを見せたいと言う彼女。部屋に入り驚いた。
「私の足袋素敵でしょう?」
旅と足袋を勘違いしていた僕。
「歩けない私には足袋の地面から離れまいとする力強さに惹かれるんです。いつか足袋で旅をしたいな」
その言葉を聞き僕は心に決めた。足袋で旅するその日まで、彼女の車椅子を押してあげたいと。
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公開:23/03/20 12:35
更新:23/03/20 14:09
更新:23/03/20 14:09
初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
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