ブラックバス
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バシャ。
茜色に染まり始めた駅のロータリーに、水飛沫の音が響いた。すると、バス停に並ぶ私たちの周りを暗闇が覆いはじめた。
「お、来た」
まん丸な目を煌々と照らす、巨大な黒いサカナが止まった。
「お待たせしました。東京行ブラックバスです」
ブラックバスは体に夜を纏うサカナだ。はじめは外来種として嫌われていたものの、最近ではうまく社会に溶け込み、旅行者の新たな足として活用されている。
エラから入ると、中も暗い。スマホの光を頼りに席に座ると、バスは尾ビレを景気良く地面に叩きつけ、泳ぎ始めた。
泳いでるときは揺れが激しい。酔い止めを飲んどいてよかった。
しばらく眠り、時計を見ると時刻は朝6時だった。ウロコを一枚めくって外を覗くと、遠くに東京のビルが見えた。
しかし、バスが近づくにつれ、宵闇がビルの上空に迫り、青空が遠のいていく。
目覚めたばかりの街に、夜が再び落ち始めていた。
茜色に染まり始めた駅のロータリーに、水飛沫の音が響いた。すると、バス停に並ぶ私たちの周りを暗闇が覆いはじめた。
「お、来た」
まん丸な目を煌々と照らす、巨大な黒いサカナが止まった。
「お待たせしました。東京行ブラックバスです」
ブラックバスは体に夜を纏うサカナだ。はじめは外来種として嫌われていたものの、最近ではうまく社会に溶け込み、旅行者の新たな足として活用されている。
エラから入ると、中も暗い。スマホの光を頼りに席に座ると、バスは尾ビレを景気良く地面に叩きつけ、泳ぎ始めた。
泳いでるときは揺れが激しい。酔い止めを飲んどいてよかった。
しばらく眠り、時計を見ると時刻は朝6時だった。ウロコを一枚めくって外を覗くと、遠くに東京のビルが見えた。
しかし、バスが近づくにつれ、宵闇がビルの上空に迫り、青空が遠のいていく。
目覚めたばかりの街に、夜が再び落ち始めていた。
公開:23/03/21 18:28
更新:23/04/11 22:40
更新:23/04/11 22:40
旅
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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