方向音痴の冒険者
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「同じ所をぐるぐると。その地図、呪いでもかかってるのか?」
小鳥が魔法使いの姿になった。
「方向音痴なんです。それなのに冒険に出る年齢だからって家を追い出されて」
「案内してやろうか。宝石の町、ドラゴンの谷は人気だな」
「結構です。行きたい所なんて無いんだ」
「そんな悲しい事言うなよ」
魔法使いは呪文を唱え地図に杖を向ける。
「これ、僕?」
地図上に現れた僕が足踏みしている。
「地図の君と現実の君はリンクしている。もう迷子にはならない。それに目的地が無いと冒険しちゃいけないなんて誰が決めた?」
「え?」
「気ままな旅も面白そうじゃないか」
魔法使いは小鳥の姿になって僕の肩に止まった。
「ガイド代、払えないよ」
「勝手に着いていくだけさ」
「それなら良いけど」
地図上の僕も足踏みを止め、前へと進む。
「そっちは骸骨谷だぞ」
小鳥が楽しげにピーと鳴いた。
小鳥が魔法使いの姿になった。
「方向音痴なんです。それなのに冒険に出る年齢だからって家を追い出されて」
「案内してやろうか。宝石の町、ドラゴンの谷は人気だな」
「結構です。行きたい所なんて無いんだ」
「そんな悲しい事言うなよ」
魔法使いは呪文を唱え地図に杖を向ける。
「これ、僕?」
地図上に現れた僕が足踏みしている。
「地図の君と現実の君はリンクしている。もう迷子にはならない。それに目的地が無いと冒険しちゃいけないなんて誰が決めた?」
「え?」
「気ままな旅も面白そうじゃないか」
魔法使いは小鳥の姿になって僕の肩に止まった。
「ガイド代、払えないよ」
「勝手に着いていくだけさ」
「それなら良いけど」
地図上の僕も足踏みを止め、前へと進む。
「そっちは骸骨谷だぞ」
小鳥が楽しげにピーと鳴いた。
ファンタジー
公開:23/03/18 00:47
プチコン
旅
冒険
地図
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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