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──午前6時58分。
目が覚め、携帯画面を見て驚いた。どうやらわたしは、あのまま寝落ちてしまったらしい。乱れたシーツと床に散らばった二人分の服が、昨夜、自分の身に何が起こったかを教えてくれた。

そっとベッドを抜け出し、自分の服を拾い集める。何故か最初に脱ぎ捨てたであろう上着が足元にあり、最後に脱ぎ捨てたはずの下着が、ドアの真下に落ちていた。
「……っっ」
自分がとった行動を思い出すと顔が熱くなる。何故、それがそこにあるのかも思い出した。勝手知ったる自分の家とはいかない他人の家。トイレと洗面所だけを借りて、彼がいるベッドへ舞い戻る。
「やっちゃったなあ」
彼とわたしは許嫁の間柄だから、誰もわたしと彼の行動を咎めない。生まれる前から許嫁である不条理さに憤っていたのに、初めて顔を合わせたその日に、なんてどうかしている。

ベッドに舞い戻り、彼の背中に顔をうずめると、何故か懐かしいにおいがした。
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公開:23/03/19 16:12
更新:23/03/19 16:13
恋愛 書く習慣 不条理 ののの糸糸

ののの糸糸( Ito Nonono )

ツイッター(https://twitter.com/no3_ito)や創作系SNS、くるっぷ(https://crepu.net/user/no3_ito)に140字小説(ツイッターノベル)や54字の物語を投稿している他、上限2000字で掌編小説を書いている昭和女子。

野辺りな名義でユーザー登録していましたが、登録したツイッターアカウントで創作活動をしなくなったのと退会が出来なかったため、野辺りなは無期限活動停止とし、現在、創作活動中のツイッターアカウントで新規登録してこちらで引き継ぐことにしました。

『今日は何の日』や『書く習慣』というアプリのお題で書いた散文をまとめて400字にしています。

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