カマイタチの珈琲

行きつけの喫茶店のオーナーが変わった豆を仕入れたと私に振る舞ってくれた。
出されたの３つのカップ。
「これはカマイタチの珈琲だ。コピルアクは知っているだろう？あれと同じでカマイタチのフンから取れた希少性の高い珈琲豆なんだ」
成程。カマイタチと言えばこん棒の長子、鎌の次子、薬の末子の三匹一組。だからカップも３つなのか。
一つ目のカップを口にする。
ガツンとくる苦みに一瞬意識を失いそうになった。凄い衝撃だ。
二つ目のカップを口にする。
こっちは切れ味鋭い苦みだな…さっきの衝撃から一気に目が覚めるような苦さだ。でもこのスッキリとした味わい…癖になる。
三つ目のカップを口にする。
前二つとは違う、薬のような苦み。だが前二つの苦みと混ざり合う事で妖しい味わいを生む。
まさに三位一体の珈琲。
これ、飲む順番変えたらどうなるんだろう？試してみようと手を伸ばす。
カップに触れると指先に切り傷が生まれた。