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「私、本の幽霊なの」
放課後、夕焼けで赤く染まる図書室で彼女は僕にそう告げた。
「告白してくれてありがとう。私も君の事が好きよ。でも私は本の幽霊だからここを離れられないの」
そっと手を伸ばす。僕の手は彼女の身体をすり抜けた。
「私の本体を見つけて。ここから連れ出して」
その日から僕は図書室の本、全てを調べ始めた。学校が所蔵するには多すぎる本の山を読み進めていく。
僕が彼女の本を読み終えれば、彼女は図書室から出られるらしい。
時間は有限だ。僕は毎日図書室に通った。だけど、彼女の本体は一向に見つからない。
最後の1冊を読み終える頃には卒業式を迎えた。それでも彼女の本体は見つからない。
ノートを確認する。読んでいない本は本当にもうないのか?もうこれで全部なのか?
ノートから、彼女が飛び出した。
このノートはいわば彼女を探し続ける僕の物語。
それに気付いた僕はついに物語の完結である彼女を見つけた。
公開:23/03/18 21:05

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。

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