カプセルトイ

学食のカプセルトイに百円玉を入れて回す。
転がり出たカプセルの中身は三角形に整えられた白米。ため息が出る。また銀シャリか…
僕に続けて友人が百円を入れて回す。
出てきたカプセルの中には三角形に整えられた白米と小さなトンカツが入っていた。
「トンカツおにぎりだ！」と喜ぶ友人。先手必勝なんて言わず、先を譲っておけばよかった…
このカプセルトイ、食堂のおばちゃんが余った材料で作ったおにぎりを格安で販売してくれるものだが…ただの白飯だと、そのありがたみも薄れてしまう。
仕方なく白米に被りつこうとしたら、それを見ていた幼馴染が卵焼きを恵んでくれた。
この卵焼きがあるかないかでおにぎりは大きく変わる。玉子焼きおにぎりはトンカツおにぎりに勝るとも劣らない。
「言い過ぎだって」と照れる幼馴染。
僕の好みに仕上げた卵焼きを食べる度に僕は彼女に惹かれていく。
お結びころりんすっとんとん。僕は恋へと落ちていく。