未成年飲酒

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 玄関ドアがノックされる。ドアを開けると、スーツ姿の男性2人が立っていた。1人がポケットから手帳を出して開け、写真を見せる。
「〇×警察の山田です。今、健全飲酒月間でパトロール中です。ご協力お願いします」
 もう1人も警察手帳を見せてきた。
 2人は部屋に上がり、キッチンに入る。山田が冷蔵庫を見つけ、手にしていたカタログをめくった。
「こちらは製造後2年ですね。成人は3年以上です。この未成年冷蔵庫の中を見せてください」
 僕は笑顔で扉を開ける。お酒は入っていない。隣にあるミニ冷蔵庫を指す。
「これは製造後10年で、お酒はこっちです」
 ミニを開け、缶ビールを出して見せると、カタログと見比べた山田は納得したようで2人の警察官は帰っていった。
 僕は口元を歪める。
「ミニは壊れてるけどね」
 缶ビールをミニから未成年冷蔵庫へ移した。未成年冷蔵庫は少し赤らんだ気がした。
ファンタジー
公開:22/09/21 18:00

志雨

2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
 

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