置きイヤホン

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「ただいま」
声を出すが、家に帰ると誰もいなかった。そのままリビングに行くと「耳に付けろ」と書かれた一言メモの紙とイヤホンが置かれていた。訳が分からないまま、俺は耳にイヤホンをつけた。
「ゆうじ、聞こえる?」
「なんだよ、母さん。聞こえるよ」
「これからあなたに重要な任務を与えるわ」
「なんだよ」
「まずは冷蔵庫を開けて」
俺は冷蔵庫を開けた。
「たまねぎ、にんじん、じゃがいも、牛肉。もう大体察しがつくわよね?」
「……カレーを作れってか?」
「そうよ。でもね、カレー作りにはコツがいるの。あんた料理が下手くそだからお母さんがここから指示するわ」
「ってかどこにいるんだよ!!」
「デパートよ。今日は限定ケーキフェアなの。今日の夕飯の後、デザートはケーキよ」
「それは嬉しいけどよ。どうしてイヤホンなんだよ」
「その方がスパイみたいで、カレーのスパイスになるじゃない。なんちゃって」
公開:22/09/21 10:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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