段ボールダイヤ
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宝石店のショーケースの中に並んでいたのは、段ボールをダイヤの形に切り取ったものだった。高齢のマダムがやってきては、段ボールダイヤを買っていくのだ。私は気になって段ボールダイヤを見せてもらった。しかしどう見てもただの段ボールで作ったダイヤであり、宝石としての価値は一切ないように思える。こんなもの私でも作れるだろう。
「あのう、これって一体何なんですか?」
「それは価値が分かる人には分かる代物でございます。お客様はまだお若く、その価値を理解する事はできないと思われます」
「すみません。段ボールダイヤを……」
隣からまた恒例のマダムが段ボールダイヤを欲しがって店員に言っていた。
「あのう、なんで段ボールダイヤが欲しいんですか?」
「これはね。身寄りがない子供達が作ったものなんだよ。売上金は子供達の為に使われるんだよ」
宝石なんかよりも美しいのは、未来を担う子供達の笑顔に他ならないのだ。
「あのう、これって一体何なんですか?」
「それは価値が分かる人には分かる代物でございます。お客様はまだお若く、その価値を理解する事はできないと思われます」
「すみません。段ボールダイヤを……」
隣からまた恒例のマダムが段ボールダイヤを欲しがって店員に言っていた。
「あのう、なんで段ボールダイヤが欲しいんですか?」
「これはね。身寄りがない子供達が作ったものなんだよ。売上金は子供達の為に使われるんだよ」
宝石なんかよりも美しいのは、未来を担う子供達の笑顔に他ならないのだ。
公開:22/09/20 23:06
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