いたちごっこ

今日も私のもとに負傷した兵士が運ばれてくる。
その中には先日怪我が治ったばかりの者がいた。怪我を治したばかりなのに命を落とした者がいた。
いたちごっこだ。治しても治しても負傷兵は減らない。治したと思ったら戦争に行き、また負傷する。
休みなく治療を続ける私。無心で負傷兵の体にメスを入れる。
そんなある日、将軍が病院にやって来た。
兵士達と違い、傷一つない体。弛んだ腹は栄養失調で倒れる私達とは真逆だ。
こんな奴が戦争を、今のいたちごっこを起こしている。将軍にとっては戦争なんて遊びと同じなのだろう。

その夜、私は将軍の部屋を訪れた。看護師の私にいやらしい目を向ける将軍。
私は将軍をベッドに誘い、押し倒すと拘束する。メスを取り出し、将軍の体を切り刻む。治療する。切り刻む。治療する。繰り返す。
いたちごっこが好きな将軍は私のかまいたちごっこに泣き叫ぶ。
私は将軍が事切れるまで将軍の体で遊び続けた。