カプセルトイ

深夜、高校時代の友人から１０年ぶりに電話がかかってきた。
何でも今、飲み会で適当に選んだ登録番号に電話をかける罰ゲームをしているのだとか。
はぁ…罰ゲームで電話をかけられたこっちの身にもなって欲しい。
電話口の向こうでは私の反応の悪さに落胆する声が聞こえる。
私はカプセルトイになった気分がした。適当に選び出されては落胆される。
気が弱い為、文句一つ返せない。玩具にされた私はこの後何もなかったかのように記憶に残らず捨てられるだろう。
そんな事をして何が楽しいんだか…
まあ、そんな連中だからこそ、未だに死んだ事に気付いていないのか。
「急性アルコール中毒で死んだ高校時代の友人から夜中に電話がかかってくる」
噂を聞いた時、そんなバカな話があるものかと思っていた。着信拒否すれば済むと思っていた。
今も定期的に友人から電話がかかってくる。
死んだ事に気付かず、相変わらず私を玩具にしては楽しんでいる。