調節温度計

温度計を二五度に設定した。エアコンとは違い二酸化炭素などを排出しない装置の、温度設定できる温度計が開発されたのだ。
通常は部屋の温度を測る温度計が、逆に部屋の温度を操作できるようになったのだ。
環境にもいいので、みんな喜んで使うようになった。常に快適に過ごせるようになった。エアコンを使っていた時のような、罪悪感や後ろめたさが無くなったのだ。電気代も大幅に節約できた。
しかし以前にも増して、引きこもりやニートの数が増加した。それ以外の人も、あまり外出をしなくなった。
政府も対策として、試験的に市の温度だけでも調節しようかとなった。とある市に、巨大温度計を設置し実験してみた。
市の外気温も二五度くらいになり、実験は成功したかに思われた。
しかし無理をした反動がきたのか、温度計が壊れ汚染物質が地球に降り注いだ。
結局以前より環境は悪くなり、人々はより苦しい暮らしを強いられることになった。