11
10

散歩に履いてる靴が、傷んできた。踵もチビて全体に滑り易そうな雰囲気だ。
転ばぬ先に新調しなければと、靴屋を覗いてみた。何と沢山の色やデザインの靴がある事か。どれを選ぶか迷ってしまう、価格もピンからキリまで色々だ。
重いのは避けて軽いものを、手にしては確かめる。
昔はずっしりした重い靴も、苦にはならなかったが、歳と共に先ず軽さが第一優先だ。種々希望を満たし、これが良いと見付け出した靴を履いてみると、少し大きく歩く時に脱げそうになる。
店員さんにもう少し小さいサイズがないかと聞くと、申し訳無いです今切らしており、その手はこれ一つしか残っていないのですと言う。
その時、何処かからか、おじさん僕を買ってよ、僕縮む事が出来るよ!サイズもピッタリとおじさんの足に合わせるからと声が聞こえて来た。
何と私が迷っていた靴が、こちらを向きニコッと訴える様に言っている。
よし決めたこれを買おう、ピッタリだった。
ファンタジー
公開:22/09/17 19:03

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容