臆病じいさん

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あるところに臆病なお爺さんが住んでいました。臆病じいさんはどうしたら人に嫌われないか考えながら街中を歩いていました。
お爺さんはお腹が空いたので近くの定食屋に入りました。席に着くと静かな店内で唯一騒ぐ集団がいました。まわりは冷たい視線を送っていました。なるほど。騒がしいと嫌われてしまうのか。お爺さんは昼食食べながらそう思いました。
帰り道、転んだお婆さんの荷物を拾う若者がいました。まわりはあんなものは偽善者だとコソコソ話していました。なるほど。親切な行いをすると嫌われてしまうのか。お爺さんはなんだか悲しくなりました。
臆病じいさんはたくさんの嫌われ者を見ていくうちに、万人に嫌われない人はいないという事が分かってしまいました。
そして臆病じいさんは人と関わることが怖くなってしまい家に閉じ籠ってしまいました。そのまま臆病じいさんは死ぬまで独りで過ごしましたとさ。
めでたしめでたし。
ファンタジー
公開:22/09/16 18:43
更新:22/09/17 13:35

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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