未来カノ

「私は未来からやって来た貴方の彼女です」
彼女にフラれたばかりの俺に目の前の女性がそう言った。
普通であれば怒るかバカにするだろう。だが俺はどちらも出来なかった。俺の遺伝子がこの子を愛していると叫ぶ。これが一目惚れか…
「私は未来の彼女なので今すぐ過去の彼女と恋愛して下さい」
過去の君？どこにいるんだ？
彼女が指差す先で女性が一人食事を取っていた。あれが過去の彼女？とてもそうは見えない…
未来の彼女に急かされ、女性に声をかける。
この女性は未来のあの子だと己に言い聞かせ、連絡先を交換しては関係を深めていった。
結局、女性は未来の彼女とは似ても似つかないままだった。俺は騙されていたようだ。
それでも俺は女性と結婚した。この人と一緒にいると幸せを感じた。

あれから２０年…
俺達の愛娘はあの子そっくりに育っていた。
そして今日、娘は過去の俺をデートに誘うと言い、タイムマシンに乗って出かけた。