失ったものは

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きれいなきれいな子どもたち。
光り輝く瞳。癖のある細い髪の毛。小さくとがった赤い唇。
我が身の美しさにはとんと無頓着で、絶えず新たな興味を探す。
美しく掠れた声で、
「かあちゃん、こっちへおいで」
小さな小さな手で力強く私の手を握る。
「かあちゃん、これを見せてあげる」
部屋の隅に呼び出し、こっそりと手を広げる。この部屋には私たち以外誰もいないというのにーー。
握られていた丸い石。
宝物なのね、この子にとっては。
「かあちゃん、かあちゃん、かあちゃんーー」
あぁ、なんて、なんて、きれいな子どもたち。
石ころを途端にきれいな宝石に変えてしまう。

ーー私もこうだったのかな。
こんな風にきれいだった?
とうさんかあさんもこんな幸せを受け取ってくれていたのかな。

いつからだったかな、
自分の外見なんて気にし始めたのはーーーー。
その他
公開:22/09/16 13:33
更新:22/09/17 14:41

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