油性マジック

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私が入所している老人ホームで、今日はイベントがあるという。何やらショーが開催されるという事で、暇を持て余した私としては、とても楽しみにしている。
ショーの時間になり、入所している老人たちが部屋に一斉に集められた。ついにショーが始まるのだ。
「どうもー!!ミスターエルと申します!!やって参りましたよー」
まるでお笑い芸人が登場したかのような登場の仕方で登場した。
「今日はですね。皆さんに素敵なマジックをお見せしたいと思います。はい、これ!!」
そう言って見せたのは、黒いマジックだった。
「そう、油性マジック。素敵ですよねー。これを皆さんに見せたかったんですよ」
老人たちは困惑している。一発ネタで終わりか。なんだ、お笑い芸人のネタだったのか。
「この紙にここ、紫陽花老人ホームと書きます。すると……」
文字が浮かび上がり、宙を舞った。まさか本当にマジックを使ったマジックだったとは思わなかった。
公開:22/09/16 09:35

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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ブラウン・シュガー
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