大衆遊戯会
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幼稚園のお遊戯会は地元の公民館で行われる。私たちが会場について指定された席に座る時には、すでに前の方の桟敷席には地元の高齢者たちが大勢座っていた。夫が驚いた声を上げる。
「なんだこりゃ。保護者よりも前に座るって」
「年長組の劇は地元の方向けでね。そのための席取りよ」
年少、年中と劇が終わり、年長組の『シンデレラ』の幕が開いた。私は夫に小声で話しかける。
「毎年、主役の争奪戦がすごいらしいよ。先生に貢物をする親もいるとか」
「なんでそこまでするんだよ」
理由を知らない夫は訝しがるが、私はこれから起こることを想像して笑いが込み上げてきた。
劇が終わり、アンコールでシンデレラ役が他の子より一歩前に出ると、1人のおじいさんが彼女に近づき、レイをかけた。その瞬間、年長組の保護者から大きな歓声が上がる。
そのレイが万札で作られているのは遠目からでもハッキリとわかった。
「なんだこりゃ。保護者よりも前に座るって」
「年長組の劇は地元の方向けでね。そのための席取りよ」
年少、年中と劇が終わり、年長組の『シンデレラ』の幕が開いた。私は夫に小声で話しかける。
「毎年、主役の争奪戦がすごいらしいよ。先生に貢物をする親もいるとか」
「なんでそこまでするんだよ」
理由を知らない夫は訝しがるが、私はこれから起こることを想像して笑いが込み上げてきた。
劇が終わり、アンコールでシンデレラ役が他の子より一歩前に出ると、1人のおじいさんが彼女に近づき、レイをかけた。その瞬間、年長組の保護者から大きな歓声が上がる。
そのレイが万札で作られているのは遠目からでもハッキリとわかった。
その他
公開:22/09/15 21:00
更新:22/09/16 20:29
更新:22/09/16 20:29
2021年3月に小説を初めて完成させました。いろいろなジャンルのショートショートを書いていきたいと思います。
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