退屈な靴
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靴は暇を持て余していた。なぜなら持ち主である一郎が、一向に出かける気配がないからだ。いつまでも玄関に置かれたままの靴は、暇で暇で退屈に殺されるのではないかと思った。一郎は小説家だ。そこそこ名の売れた作家で、特に締め切り間際になれば、家の中で何日も缶詰状態で作業する。そうなれば一郎は、食料品の買い物にすら出かけないのだ。
「また締め切りが近いのか」
靴はそう呟きながらも、一郎が履いてくれるのをひたすら待った。早くどこかへ連れていって欲しい。もう玄関の景色は飽きてしまった。それから何日も経った後、玄関に警察が大勢入ってきた。靴は警察に調べられた。一体何事だと思った靴は、ようやく事情を知った。一郎は何者かに殺されたのだ。だから靴は履いてもらえなかったのだ。そうか。一郎は逝ったか。ならば自分の役目も終わり。そう思った靴だったが、靴には犯人の痕跡が残っていた。どうやら最後に一郎の役に立てたようだ。
「また締め切りが近いのか」
靴はそう呟きながらも、一郎が履いてくれるのをひたすら待った。早くどこかへ連れていって欲しい。もう玄関の景色は飽きてしまった。それから何日も経った後、玄関に警察が大勢入ってきた。靴は警察に調べられた。一体何事だと思った靴は、ようやく事情を知った。一郎は何者かに殺されたのだ。だから靴は履いてもらえなかったのだ。そうか。一郎は逝ったか。ならば自分の役目も終わり。そう思った靴だったが、靴には犯人の痕跡が残っていた。どうやら最後に一郎の役に立てたようだ。
公開:22/09/12 09:58
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