雨風と太陽

雨風兄弟は時々タッグを組んでは暴れまわるならず者。太陽が素行を注意しても言うことを聞かず、それどころか「俺たちを止められるもんか。一丁勝負するか？」と挑発する始末。
「この世界を舞台にして、たくさん殺した方が勝ちとしよう」
雨風の提案に太陽は「望むところだ」と応じました。

先攻は雨風。大嵐に竜巻まで起こし、川が氾濫して山が崩れます。人も家も車も濁流に飲まれ、かなりの死者数をたたき出しました。

次は太陽の番。熱い日差しを送り、あっという間に気温は上昇、熱中症患者が続出しました。でもエアコンの効いた家に籠っている人は無事で、このままでは負けてしまいます。そこで山に火を放ちました。自然発火現象です。山から街へと一週間燃え続け、多くの被害を出したのです。

結果はわずかに太陽の勝利。
雨風は逃げるように去り、太陽は勝ち誇った涼しい笑顔を見せましたが、世界はかつてない災害に見舞われたのでした。