売れないネクタイ
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そのネクタイは買われない。
あるカナダの人が言った。
「このネクタイを3万で買いましょう」
店主は断った。あるアメリカの人が言った。
「このネクタイを5万で買います」
店主は断った。あるインドの人が言った。
「このネクタイを8万で買おう」
店主は断った。またある人を断った時、店主はその人に怒鳴られた。
「なんで売ってくれないんだ!値札には何も書かれていないじゃないか!」
確かに値札には何も書かれていなかった。でも頑なに、店主はそれを売らなかった。
何年経ったか、その店の扉が開かれた。そこには青年と呼ぶのに相応しい、初々しくスーツに身を包んだ男が立っていた。
「店主さんそのネクタイください」
店主はにこりと微笑んだ。
「約束、だものねぇ」
青年はまだ少年の頃、そのネクタイが欲しいと言った。店主はまだ子供だからと断った。
「約束だよ?大きくなったら絶対買うから!」
その約束が今果たされた。
あるカナダの人が言った。
「このネクタイを3万で買いましょう」
店主は断った。あるアメリカの人が言った。
「このネクタイを5万で買います」
店主は断った。あるインドの人が言った。
「このネクタイを8万で買おう」
店主は断った。またある人を断った時、店主はその人に怒鳴られた。
「なんで売ってくれないんだ!値札には何も書かれていないじゃないか!」
確かに値札には何も書かれていなかった。でも頑なに、店主はそれを売らなかった。
何年経ったか、その店の扉が開かれた。そこには青年と呼ぶのに相応しい、初々しくスーツに身を包んだ男が立っていた。
「店主さんそのネクタイください」
店主はにこりと微笑んだ。
「約束、だものねぇ」
青年はまだ少年の頃、そのネクタイが欲しいと言った。店主はまだ子供だからと断った。
「約束だよ?大きくなったら絶対買うから!」
その約束が今果たされた。
公開:22/09/09 19:32
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