青文字ノート

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大学の構内にノートが落ちていた。僕はそのノートを拾い、中を開いてみた。落とし主の手がかりになるといいと思ったからだ。中を開くと文字が全て青文字で書かれていた奇妙なノートだった。
そのノートを見て僕は、すぐに誰のノートなのかわかった。

「これ、如月のノートか」

如月はこの大学始まって以来の天才だと言われている学生だ。そして変人でもあり、友達がいない。

「苦手な奴のノート拾っちまったな」

仕方がなく、如月のいるゼミの研究室に持って行った。

「おい、如月。このノートお前のだろ?」
「よく俺のだと分かったな」
「青文字で書くのは、お前くらいだからな」
「こんなこともあろうかと思って青文字を選んでおいて正解だった。そして俺は天才で有名人。そんな俺のノートは青文字で書いてあると周りに認知されていれば、当然手元を離れても戻ってくるのだ。実験は大成功だ」

くそ。わざとかよ。マジで嫌な奴だ。
公開:22/09/09 08:45

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
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・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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