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大学の実験実習がようやく終わり、既に日が暮れていた。実験室に残っていたのは同じ班の意中のリカだけだった。
「途中でビーカー倒して、やり直しさせて悪かったな」
「まあ、お互い様だよ」
「お詫びに生協でなんかおごるよ」
「生協って、せこいねぇ。まあ、おごってくれるならいいか」
生協でお気に入りのアイスを買い、屋外のベンチに座って食べることにした。あれ?なんかいい雰囲気だぞ。もしかして、告白するチャンスか?
「あのさ…」
「なに?」
「月が…」
「月がどうしたの?」
「月が…大きく見えるね」
「月の軌道は楕円形だから今日は一番近づいているのかもね」
「…そうだね。えーと、月が…」
「月がどうしたの?」
「月が…赤いね」
「そうね。月の位置が低いと地球の埃で光が散乱して赤い光だけ通過するみたいよ」
「…詳しいね。よし、月が綺麗ですね!」
「十五夜だからね」
理系のリカには意図が通じなかったようだ…
青春
公開:22/09/08 23:58
更新:22/09/09 00:09
月が綺麗ですね

ひろいてん

面白そうなので参加してみました。

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