中秋の名月

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女「今日、中秋の名月だね。」
男「えっ?」
女「中秋の名月。今年は満月だよ。見ないの?」
男「えっ?まあ、いいや。」
女「なんで?一緒に見ようよ。今日は天気も良いし。良く見えそうだよ。」
男「いや、ヤメとく。」
女「なんで?」
男「なんでって。そっ、そっ、それは。」
女「何?もしかして狼男とか?」
男「いやいやいや!違えよ!何でだよ!!わかったよ。そこまで言うなら見るよ。見れば良いんだろ。」
女「ハイ、決定~。」
その夜。
女「キレイだね~。まんまるお月様。」
男「そう?」
女「っていうか、ちゃんと見てる?月あるのそっちじゃないよ?あっちだよ。」
男「見てるって。」
女「ホント?」
無理やり男の顔を月に向けさせる女。
うあぁ。あ~。男が叫ぶ。突然毛が伸び始める。しかし伸びたのは口の周りだけ。間の抜けた泥棒のよう。
男「だから嫌だったんだ!!」
女「ハハッ。」パシャリ!!
男「撮るな~!!」
ファンタジー
公開:22/09/10 17:56

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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