しばらくお待ちください。
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突然、テレビの画面に「しばらくお待ちください。」の文字が。男は不意に思う。しばらく、ってどれくらいの時間だろうか?辞書で調べてみる。そこには〈すぐではないが、あまり時間のかからないさま〉と書いてある。すぐではないが、あまり時間のかからないさま。なるほど。まだ「しばらくお待ちください」と出て続けている。しばらく待つ。はて?そろそろか。おかしいなと思う。あまり時間のかからないさま。ではないのか?男は確認のためテレビ局に電話する。「しばらく待っているのだが。」「はい?」「しばらくお待ちくださいと出ているだろう?しばらく待った。なのにまだしばらくお待ちくださいと出ている。何でだ?しばらくとは、すぐではないが、あまり時間のかからないさま。なんだぞ!!知ってるのか?」
「はあ?知りません。」
「なんだって?そんな事も知らないのか!」男は自分もさっきまで知らなかったことを棚にあげて怒鳴るのであった。
「はあ?知りません。」
「なんだって?そんな事も知らないのか!」男は自分もさっきまで知らなかったことを棚にあげて怒鳴るのであった。
その他
公開:22/09/10 10:13
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
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