アジフライとアラサー女

「『並んでますか？』」
「どうしたの急に？」
「久しぶりに異性に声をかけられたの」
「どこで？」
「アジフライが有名なお店で」
「京橋にあるお店ね」
「前に開店30分前に行ったらすごい行列であきらめて、今回リベンジで１時間前に行ったの」
「それで」
「１番乗りでお店の前をウロウロしてたら同じ歳位の男性に声をかけられたのよ」
「へー」
「それから開店まで色々お話したの」
「めずらしく浮いた話ね」
「池袋のラーメン屋とか、五反田のとんかつ屋とか」
「それで連絡先を交換したんだ」
「してないわよ。初対面でいきなり聞けないでしょ」
「それだからアラサーになっても独身、彼氏なしなのよ」
「フッフッ…」
「なによ、その気持ち悪い笑いは」
「そのあとね、お店の名前に＃つけてSNSにアップしたの。そしたら彼からダイレクトメッセージが届いたのよ。今度食事に行くことになりました！」
「はいはい、ごちそうさま」