ふわり、恋物語　２

視線の先にいたのは、羽が生えたツインテールの美少女だった。
物ではない。人だ。

「綺麗……。天使だ」

その幻想的な光景に、李衣菜は思わず声をあげた。
ツインテールの美少女は、ゆっくりと羽を広げて地上に舞い降りた。
同時に眩しい光は消えた。

「願い事を叶えてあげる」
「えっ……？な、何……？」

唐突に願い事を叶えてあげるという美少女。
何かの聞き間違いかと思って聞き返す。

「おめでとう。あなたが選ばれたの。府輪李衣菜さん」
「選ばれた？どういうこと？」
「あなたが月に選ばれたの。月に選ばれた人は、願い事をひとつ叶えてもらえるの」
「どうして私が選ばれたの？」
「さあ？私は、ただの月の使者だからよく分からないよ。お月様の気まぐれじゃない？」
「よく分からないけど、プレゼントに当たったようなものだと思えばいいの？」
「そうね」