Ⅲ.自由ヲ、モトメテ 5/6

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「まず、ごめんなさいね。私の身勝手に巻き込んでしまって」
 反応のないハックに、構わず続ける。
「騒動の事だけど、ここの人たちは、とりあえず刑罰には処されずに済みそうなの。中央の御偉方にとっても、ここのやり方は目に余るものがあったみたいね。所長の自殺体が見つかったこともあって、責任を彼に被せて終わらせる腹積もりね」
「…」
「それと、さんきゅうと弐っちゃんなんだけど、見つからないの。あの暴動の日から、忽然と姿を消してしまってね。心配ではあるんだけど、なぜかあのふたりなら大丈夫。そんな気がするのよね」
 ハックの口元に、かすかに笑みを浮かぶが、せんせいは気づかなかった。
「じゃあ、そろそろ戻るわね。まだ施設の立て直しで忙しくてね。職員もその対応に追われてるの」
 ハックの横に収容所の鍵を置くせんせい。
「あと、これ良かったら。お詫びの品よ」
 と、愛用のラジオもそこに置き、部屋を出ていった。
SF
公開:22/09/04 09:50
連載 SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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