Ⅲ.自由ヲ、モトメテ 4/6

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「あんたたちの話を信じるよ」
「では…」
「だが、案内はいい。野暮用ができたんでな。この匣からも、あんたが言ってた場所にも、自力で行ってやるさ」
「野暮用とは?」
「探し物だ。この世界からの餞別として欲しいものがある」
「それは?」
「本さ。題名は、根源悪の牧場」
「なるほど。でも見つかるでしょうか?わたしたちも無理でしたのに」
「俺ならできるかもしれないだろ?」
「そうかもしれませんね。それでは…」
 ~
 暴動から数日。
 せんせいと看守に連れられ、ハックが自室へと戻される。意識は判然としてない様子。
「これでよし。あなたもお疲れ様」
「…」
「ほら、こういう時はお疲れ様でしょ?」
「え?」
「もうあの人はいないんだから、肩の力抜くようにしなさい。良かったら明日、一緒にお昼でもどう?」
「あ、はい是非。お疲れ様でした」
 部屋を出る看守。
「…聞こえてるんでしょ?そのままでいいわ」
SF
公開:22/09/04 09:17
連載 SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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