Ⅲ.自由ヲ、モトメテ 2/6

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「え…」
 戸惑うさんきゅうをよそに、弐っちゃんは話始めた。
「わたし、ずっと匣の中にいたの。出る時は、お医者さんに会いに行く時だけ。お父さんとお母さんはいつも優しくて笑顔をみせてくれるんだけど、実は笑ってないの分かったんだ。それに、しばらくすると、お父さんもお母さんも、顔や声が変わっちゃってるの」
「…どうしてそんなことに?」
 ようやくさんきゅうが聞き返した。
「夢の話をしたからかも…」
「夢?」
「何にもない世界を歩く夢。空には、大きな樹が浮かんでて、とてもきれいで、そこで女の子と友達になったの?」
「樹?それに、女の子って?」
「もしかしたら男の子だったかも。でも、とても仲良くなれたんだ。そういえば、それからかな。わたしが"せかい"を創り始めたのって」
「前話してくれた、たくさんの屋根がある"せかい"?」
「うん。それ」
「そこに、行けるの?」
「うん!行けるって。友達の二人が」
SF
公開:22/09/04 07:59
連載 SF 戦争 差別

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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