いつもの帰り道
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夕暮れの町並み。仕事終わりにその真ん中を突っ切って歩くのが日常だった。しかし今日はなんだか違和感を感じる。なんとなくいつもより空気が重いような、冷たいような。
気圧や温度の話ではない。感覚的にそう感じてしまっていた。思えばあのお店、いつからシャッターが閉まりきりになっていたんだろう。足を止め辺りを眺める。見れば見るほど町はいつもより寂れて見えた。いつかこの町にも終わりが来るのだろうか。そんなことを考えていた。
母が死んだ。葬式も終わり、日常に溶け込もうとしていた。しかし親孝行さえ出来なかったという後悔が渦となり、頭の中を支配し、いつの間にか帰り道を歩いていた。
あぁ、これが灰色の世界なのか。
また頭の中で渦がまわり始める。
そして私の足はズブズブと世界に取り込まれていった。
気圧や温度の話ではない。感覚的にそう感じてしまっていた。思えばあのお店、いつからシャッターが閉まりきりになっていたんだろう。足を止め辺りを眺める。見れば見るほど町はいつもより寂れて見えた。いつかこの町にも終わりが来るのだろうか。そんなことを考えていた。
母が死んだ。葬式も終わり、日常に溶け込もうとしていた。しかし親孝行さえ出来なかったという後悔が渦となり、頭の中を支配し、いつの間にか帰り道を歩いていた。
あぁ、これが灰色の世界なのか。
また頭の中で渦がまわり始める。
そして私の足はズブズブと世界に取り込まれていった。
その他
公開:22/09/06 15:04
超ショートショート書いていきます
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