怨み漢方

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借金をした友人が逃げた。連絡も取れず、俺は連帯保証人になっていて借金を背負わされた。
「クソ……。許せねえ……」
「お困りですか?借金の連帯保証人。辛いですよね」
そこに現れたのは、スーツ姿にシルクハットを被った不思議な男だった。
「なんだ?お前は。金貸しか何かか?間に合ってるぜ」
「いいえいいえ。私は薬局を営んでおります」
「薬局だ?生憎、俺は健康体。風邪だって引いてねえぜ。他当たりな」
「あなたは心に持っているではありませんか。怨みという厄介な病を」
「何?」
「怨み漢方。試してみませんか?良い薬なんですよ」
男にまあ買ってみて下さいと強く勧められ、怨み漢方を買った。それからも怨みの感情は消えず、気休めに怨み漢方を飲んだ。すると不思議と怨みの感情は消えていった。
「確かにされた仕打ちは許せない。でも俺が連帯保証人になってしまったのも悪い。俺が未熟だった」
そう思えるようになった。
公開:22/09/02 08:45

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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