暴力クラブ 別の話

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おれは暴力クラブに来た。ロボットが人のように振る舞い、そのロボットに対し暴力を振るいストレスを解消するクラブである。

おれは今日のロボットは、世界最強の男という設定にしてくれと、店に頼んであった。おれの好きな作家が全ての男の夢は世界征服であり、世界最強の男になることだと書いていて、おれもそれに深く共感したからだ。
戦いの末、おれは世界最強の男を倒した。シナリオ通りだから当然なのだが例えようもない、いい気分だった。

意気揚々とおれは自宅へと帰った。妻と幼い子どもが出迎えてくれた。おれはハッとなった。
健気にもおれの帰りを待ってくれていたんだ。
世界最強の男だの、男の夢だのそんなものはどうでもいい。そんな物に金や時間を使う暇があるのだったら、これからは家族のために生きよう。
おれはそう決意した。

しかし一週間後ヒステリックな妻と懐かない子どもに対し嫌気がさし、また暴力クラブに通っていた。
その他
公開:22/09/01 23:25
更新:22/09/01 23:45

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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