時を止める男

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十八歳になり、いきなり時の止める能力を身につけた男がいた。彼は銀行や大金持ちの家に行き、大金を盗んだ。
また女性に対していたずらをしたりした。
気に入らない人に暴力を振るったり、時として殺したりした。

彼を捕まえようとしたり、暗殺しようとした人もいたが時を止めることのできる能力に敵うはずもなく返り討ちにあった。やがて彼の邪魔をする人は誰もいなくなった。

金を盗めるだけ盗んで、遊びたいだけ遊んで働きもせず悠々自適の生活を送っていた。
しかし老人になり、病で倒れた。そして今までの分のしっぺ返しがやってきた。

今まで彼が止めていた時間の分が、急に彼の所にだけ急速に流れだしたのだ。一気に歳を取るということだった。
だがそれは老人になって病で苦しむはずの時間が、全然無くなったということだった。
彼は苦痛を感じず、安らかに亡くなった。彼ほど幸せな一生を送った男も他にいないだろう。
ファンタジー
公開:22/09/04 01:15

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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