ある父と子の会話

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おれは天国に行った。最初に入っていた親父と会話することにした。
「いろいろと大変だったな」
「そう、とにかく黙るしかないものね。理解のない家族、知人に対しては」
「何か言えば逆ギレになるしね」
「おれもあんな妻で、よく我慢したよな」
「そうおれもあんな母親いなくなってほしかったけど、それはそれで飯を作ってくれる人がいなくなるしな」
「言いたいことが言えるようになるためには上に行けなんて言われるけど、上に行ったところで調整役になるだけだしな。何もいえないよ。給料が少しばかり上がって、体を壊すだけだ」
「親父のそれが反面教師だったのかもな。おれは適当に仕事をやってきたからな。責任なんて取りたくない」
「報われないのが男の一生だよな。名を残すのは、スポーツ芸能に秀でた奴か、時流に合わせて才覚を発揮する奴だけだ」
「まあ将棋や野球といった共通の趣味はあるわけだから、それを今後は楽しもうか」
その他
公開:22/09/04 00:03

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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