開かずの扉と母の秘密
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俺の母親は芸能人。
今年、寿命を全うして天国に旅立った。
四十九日が過ぎた頃、遺品整理を始めた。
「やだ、開かないわ!」
「番号教えてもらったんじゃないの?」
仕事部屋には金庫がある。
何度も試してみたが結局開かなかった。
数日後、俺と姉は開かずの金庫を開けるテレビ番組に出たお店に依頼した。
話を聞いた番組の責任者から放送したいと電話がきた。
撮影の日。
俺と姉が見守る中、カメラが回り撮影が始まった。
「今、カチッと音が聞こえました!」
進行役の芸能人が歓喜した。
鍵屋の店主がそっと開けると、書類が入っていた。事務所との契約書だ。
「おっとこれは!」
「え!?」
進行役の芸能人と姉は驚いた声をあげた。
書類の下に何やら本が埋もれている。
「BLだわ…」
姉がぼそっとつぶやいた。
母の名誉のため、姉は本をそっと戻して扉を閉めた。
世間には公表していないのでお蔵入りとなった。
今年、寿命を全うして天国に旅立った。
四十九日が過ぎた頃、遺品整理を始めた。
「やだ、開かないわ!」
「番号教えてもらったんじゃないの?」
仕事部屋には金庫がある。
何度も試してみたが結局開かなかった。
数日後、俺と姉は開かずの金庫を開けるテレビ番組に出たお店に依頼した。
話を聞いた番組の責任者から放送したいと電話がきた。
撮影の日。
俺と姉が見守る中、カメラが回り撮影が始まった。
「今、カチッと音が聞こえました!」
進行役の芸能人が歓喜した。
鍵屋の店主がそっと開けると、書類が入っていた。事務所との契約書だ。
「おっとこれは!」
「え!?」
進行役の芸能人と姉は驚いた声をあげた。
書類の下に何やら本が埋もれている。
「BLだわ…」
姉がぼそっとつぶやいた。
母の名誉のため、姉は本をそっと戻して扉を閉めた。
世間には公表していないのでお蔵入りとなった。
その他
公開:22/09/03 22:07
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