雲カー

学校の帰り道にふと空を見上げた僕は驚いた。
「雲の上に人が乗っているよ!?　UFO!?」
「あれは雲カーだよ。知らないの?」
幼馴染に聞かれた僕はスマホで調べた。
あれは雲カーといって次世代の乗り物として注目されているそうだ。
自然発生する雲を特殊加工して乗るので環境改善も期待され、お財布にも優しいという。
しかし問題がある。ハンドルがないので風向きによっては目的地にたどり着かない可能性があるそうだ。
雨雲カーや雷雲カーは大変らしい。
白い雲カーよりも扱いが難しく、雷雲カーはゴロゴロ鳴って雷を地上に落とすのでうるさいし怖いと書かれている。
しかし、二酸化炭素の排出をもっと抑えるために国は雲カー産業を推奨するそうだ。
今は試験中だという。
「どんな乗り心地なんだろう?」
「ふわふわしていたら面白いよね!」
そう遠くない未来、僕たちの世界は雲カーが普通の世界になっているかもしれない。