ヒットマン

俺は流離のヒットマン。日本全国あてのない旅をしている。
実は俺、医師免許を持っている。ターゲットを一撃で仕留める為の嗜みって奴だ。持っていると箔もつくんでな。
とはいえ俺はヒットマン。名医でも何でもない。医療の腕には自信がない。
そんな俺を難病に侵された患者が訪ねてきた。
ため息を吐く。一目で分かる。これは俺の手に負えない。即座に匙を投げた。
だが安心しな。何もしてやれないわけじゃない。俺には治せないが、治してやれる名医を紹介してやろう。
いや…名医でなくても腕のある医者ならその病気は必ず完治する。安心しな。
何故かって？俺はさっき、匙を投げると同時に密かにメスも投げた。俺の投げたメスは患者の後ろで不気味に笑う死神を一撃で仕留めた。俺はこっちが本業なんでね。
言っただろ。何もしてやれないわけじゃないって。こっちの手術は得意なんだ。
俺は流離のヒットマン。次はあんたの街に行くかもしれないぜ。