しーっ、静かに

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仲間と山登りの最中、突然の雨に襲われる。
どこか雨をしのげる場所はないかと辺りを見回すと森の中に建物を発見した。
山小屋を見つけた!と建物に急ぐとそこは『山猫軒』という西洋料理店だった。
立ち尽くす私。それを知っている私は軒は借りても中に入ってはいけないと仲間を諭す。
だが注文の多い料理店を知らぬ仲間は店の中へと入って行く。物語同様に服を脱いでは、店の出す注文に従いバターや塩を全身に塗り込んでいく。
このままでは仲間が危ない。そう言えば、野犬を追い払う為のアプリで狼の遠吠えを流すものがあったはずだ。
震える手でスマホを操作しようとする私を、コック帽を被った猫そっと押さえた。
「しーっ、お静かに。スマホのご使用はお控え下さい」
そう言ってスマホを取り上げる。スマホを取られた私はもうどうする事も出来ない。
戻ってこない仲間を軒先で待ち続けては、無理にでも山を降りておくべきだったと後悔し続けた。
公開:22/08/30 20:33

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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