しーっ、静かに

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幽霊の声が入っていると噂の音源にオカルト研究部の皆が耳を傾ける。
しーっ、静かに…来るよ…来るよ…
扇風機もクーラーもつけず、締め切った部室で聞こえて来るであろう幽霊の声に期待する。暑さを忘れ、その時をじっと待つ。
…が、いつまで経っても幽霊の声は聞こえない。肩を落とし、皆がため息を吐いた。…ん?ため息、一人分多くなかったか?
私の発言に皆がざわつく。もしや幽霊が現れたのではないかと辺りを見回す。…いた。
部室の隅に髪の長い女の幽霊が佇んでいた。
女は荒い呼吸で私達に近付く。そして、迷う事なくリモコンを手にクーラーのスイッチを入れた。
私達を睨みつける女の幽霊は静かに口を開く。
「こんなに暑いと出るのは汗だけです。幽霊だって暑いと出て行きたくなくなるんですから、もっと涼しくしてから呼んで下さい」
幽霊の肉声にテンションを上げるべきだろうが、さすがに今はそんな空気じゃないと皆も察した。
ホラー
公開:22/08/30 20:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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