チアリーディング

私に何ができるかなんて言われても、何もできないと答えるしかない。
「私はただの女子高生で……」
「そんなことはわかってるよ。でもさ、君が何かをしたいと思うなら、それはきっと誰かの力になるはずだよ」
「私が？」
「そうだよ。君は自分で思っているよりもずっとすごい人間なんだから」
「……お兄ちゃんはそうやっていつも適当なことばっかり言うんだから」
「君は皆を引っ張っていける明るさを持っている。皆が届かない夢に向かってまっすぐ突き進む力があるんだ」
そう励まされ、私はもう一度挑戦しようと思った。チアリーディングで世界の人を笑顔に。それが私達の目標だ。
そして舞台は世界へ。日本とは比べ物にならないくらい大きな舞台で、私達は踊る。失敗してもいい。
それでダメだったらまた次を考えればいい。私は一人じゃない。皆がいる。
だから、もう迷わない。
―――ありがとう。

目の前にスポットライトが照らされる。