しーっ、静かに

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夜道を一人で歩いていると突然背後から襲われた。
動きを封じられた私に襲撃者は言う。「しーっ、静かに。すぐに終わりますからね」
私の首筋に嚙みつく襲撃者。じゅるじゅると音を立て、血を吸い上げていく。
抵抗する事も出来ず、私は瞬く間にミイラと化した。

ふぅ…と息を吐く。ミイラを担ぎ、狼男の嗅覚を頼りに道を急ぐ。
狼男がある家を指さす。私はその家に侵入すると寝室を探す。
…いた。先程私が血を吸ったものと瓜二つの人物が眠っている。
私はミイラをその人へと押し込む。ミイラは何の抵抗もなくその人の中へと入っていった。これでよし。
この人は最近、ドッペルゲンガーに悩まされていた。影が抜け出ている事に困り、私に助けを求めてきた。
今夜は吸血鬼に襲われる怖い夢を見るかもしれないがこれでもう大丈夫。依頼は完了だ。
外に出ると狼男が満月を見てうずうずしてる。
「しーっ、静かに」と釘を刺し、私達は家を後にした。
ファンタジー
公開:22/08/29 20:39

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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