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嫌なことは波でやってくる。山あり谷ありというでは弱い。嫌なことは波なのだ。突然襲いかかってきて、私達は足掻くことしか出来ない。最悪の場合、命すら連れ去ってしまう。しかし、その波を作っているのは大半の場合人間だったりする。自分もその波にさらわれた経験があるのに、喉元を過ぎたようになんでもない顔をして波を引き起こすのだ。
私は今その波にさらわれ、海食崖の上に立っていた。すでにその波は身体中を駆け巡り、あとは片足を空へ預けるだけだった。私は目線を下へおろし、一息ついた後波に紛れていった。

ザザーン

なるほど、波はなかなか逃してくれないらしい。私は海岸でずぶ濡れのまま、また来るであろう波を想像し涙を流した。
その他
公開:22/09/01 18:20

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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