爆弾男

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工場勤務の俺は、昼休みになると社内の食堂に行って昼飯を食べる。そこには名物と言われる男がいる。それが爆弾男だ。爆弾男は、いつも爆弾おにぎりを作って持って来て食べているのだ。そのあまりにも巨大なおにぎりに、初めて見る人は、ギョッとするものだ。
「また今日も爆弾おにぎりだ……」
爆弾男は人目を気にする事なく、豪快におにぎりにかぶりついている。
「中身、何が入ってるんだろうな」
仲の良い同僚がふとそんな事を言った。
「おい、聞いて来いよ」
「いやだよ。アイツ浮いてるじゃん。あんなのに話しかけたら、俺も同類だと思われるだろ」
しかし中身は気になる。俺達はメニューを見る振りをして、爆弾男の背後に回り、後ろからこっそり覗いた。すると爆弾男がこちらを振り返って言った。
「中身は秘密。教えてあげないよ」
そう言って、べえっと舌を伸ばしてきた。
予想外のキャラにも驚いた俺達は、その場を立ち去った。
公開:22/09/01 06:42

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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