夢の申告義務

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世の中に争いや病みが広がり、いつの間にかそれが混乱となり社会秩序を壊す危険性が高まってきた。
人々は先の見えない不安から、睡眠中に色々な夢を見る事が多くなった。
いつの間にか時間が経つと、其れが夢だったのか現実だったのかの判断も出来なくなった。
だから錯覚の世界に落ち込んでしまった人は、もはや通常生活に戻る事も難しく、会社に出社しても仕事に携わるのはとても無理であった。

また其の様な子供や学生は学校に行っても、勉強する気にもならなかった。
この現象が一段と広がれば社会全体が成り立たなくなる事を恐れ、政府は夢を見た場合は24時間以内に、其の内容を居住地区自治体に申告する様に義務付けた。
そして全国から集められた夢報告書は、一箇所に纏められて
動物園に届けられた。
そこには大きな厩舎が設けられており、数多くの貘が飼育されていた。
悪夢は彼らの食料となり、全て消化された為問題は消滅した。
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公開:22/08/31 21:39

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