しーっ、静かに

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私には霊感と呼ばれるものがある。
見えてはいけないものが見えたり、聞こえてはいけないものが聞こえたりする。それを面白がって、心霊スポットに連れて行かれる事もよくある。
私の霊感はかなり強いらしい。それ故に幽霊がはっきり見え、その声がはっきり聞こえてしまう。
その結果が…これだ。
『ねー、ちょっと聞いてよー。この前のコンパさー、まだ死んでない男が来てたの』
『マジで?それって幽体離脱って奴?』
『それよ。幽霊とコンパすんならちゃんと現世と別れろっての。もうマジ萎えたわー』
その会話に私が萎えてしまう。
私は幽霊に近づくと「しーっ、静かに」とお願いする。さすがにこの会話は聞かせられない。
その行為に幽霊達も驚いていた。
まさか幽霊扉を開き、霊界スタッフルームに入られるとは思っていなかったのだろう。
そもそも幽霊扉が見える人間がいると思っていなかったのだろう。
幽霊達はそんな私を怖がっていた。
公開:22/08/31 20:48

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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