捉え方の相違

麻美とエリは職場の同僚だ。しょっちゅう仕事でぶつかっていたのだが、プロジェクトが一段落して意気投合すると、お酒でも飲みに行こうという流れになった。

意外と会話ははずみ、双方独身なこともあって次第に仕事から男の話題へ。

「ねえ、営業部の原田さんって誠実そうじゃない？」
「麻美は見る目ないわね、あの人かたくて真面目すぎ」

「山本さんは？　社交的で明るいタイプって感じ」
「あれは八方美人でお調子者ってゆうの」

「そう？　高野さんはどう？　ポジティブな考え方してるなと思ったんだ」
「ああ、でしゃばりで図々しい人ね」

「エリはじゃあ、どんな人がいいのよ」
「うちの会社にはいないわよねー、ジャニーズ系の人」
「…理想高すぎじゃない？」
「完璧主義って言ってよ」

その後、麻美はすぐに社内恋愛をして結婚した。
エリは長い間男漁りを続け、最終的には好みとは正反対の人と付き合ったらしい。